SimuAudio 問題No10の解説
- 純音聴力検査シミュレーションソフトウェアSimuAudio 問題No10の解説ページです。
- 本問は一側伝音難聴(Stiffness Curve: 耳小骨固着など)のオージオグラムです。気骨導差が低音部に強い特徴があります。
- 問題No1〜No4の解説を読まれていることを前提としています。
1.マスキング無しでの両側気導・骨導閾値の測定
- マスキング無し(Mask OFF)の状態で両側の気導・骨導聴力閾値を測定します。
2.マスキング下での右側骨導閾値の測定
3.マスキング下での左側骨導閾値の測定
- 500Hzでは安全なマスキングレベルの目安(水色の点滅)注の範囲内ではマスキング不足(陰影聴取)となります。
- 骨導マスキングプロフィールまで作成しないでも、マスキング音圧を上げると骨導閾値も上昇するのでそれと分かります。
- マスキング音圧を上げても骨導閾値が上昇しないところで閾値を確定します。
4.骨導閾値が得られない周波数での気導マスキング
- ここで正解を表示してみると、125Hzの右気導閾値が正しくないことが分かります。
- 近隣の周波数での結果から、右125Hzもおそらく伝音難聴であろうと予想がつきます。
- 感音難聴と異なり、マスキング音圧を大きくしすぎるとオーバーマスキングになり、どんどん閾値は高くなってしまいます。
正解表示のプロフィールを示します。
- 伝音難聴で骨導閾値が得られない場合、正確な気導閾値確定も困難なことがあります。
注 安全なマスキングレベルの目安も気導マスキングのプロンプトも単なる「目安」に過ぎず、絶対的なものではありません。
これらの詳細については下記の参考文献を御参照下さい。
- 日本聴覚医学会(編):聴覚検査の実際(改訂3版).南山堂,東京,2009
- 服部 浩:図解実用的マスキングの手引き(第4版).中山書店,東京,2009
- 服部 浩:基本的聴覚検査マニュアル(第3版).金芳堂,京都,2010